■国税関係書類に係るスキャナ保存制度の緩和について・・・公認会計士・税理士 吉井清信
平成28年度税制改正により、電子帳簿保存法における国税関係書類(※1)に係るスキャナ保存制度について、スマートフォン等による領収書等のスキャナ保存を可能とするなど要件が緩和されました。スキャナ保存の承認を受けようとする場合には、「3か月前の日」までに所轄税務署長に承認申請書等を提出することが必要となりますので、提出期限に留意です。
(※1)取引に関して相手方から受取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写し等
1.28年度税制改正の主な内容
・スキャナについて原稿台と一体となったものに限定する要件を廃止 |
・国税関係書類の受領後、その受領等をする者がその国税関係書類に署名を行った上で、速やかに(3日以内)にタイムスタンプを付す |
・記録する国税関係書類がA4以下の大きさである場合には、大きさに関する情報の保存を要しない |
・適正事務処理要件のうち相互牽制要件について、国税関係書類の受領等をする者以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行うことで足りる |
・小規模企業者(※2)である場合にあっては適正事務処理要件のうちの定期検査について、税務代理人(税理士等)による検査とすることにより、相互牽制要件を不要とすることができる
(※2)製造業その他 従業員20人以下、商業・サービス業 従業員5人以下 |
2.税務代理権限証書の提出は定期検査まで
電磁的記録等による保存等の承認を受けようとする場合は、承認申請書の提出期限までにすべての要件を満たしていなくても、現実に電磁的記録等による保存を開始する日までに満たすことができれば問題ないとされています。
税務代理人が定期的な検査を行う「小規模企業者の特例」においては、定期的な検査を行うまでにその要件が満たされれば良いとされており、承認申請時点において税務代理権限証書を提出する必要はなく、定期的な検査を行うまでに提出されていれば足りるとしています。
3.スキャナ保存の開始時期と申請書の提出期限
28年度改正は、平成28年9月30日以後に提出する申請書等に係る国税関係書類についての適用となるため、同日前に提出した申請書は従前通りの要件となります。
改正後の要件で承認を受けようとする場合は承認申請書等を提出すればよく、既に改正前の要件により承認を受けている場合には、改正前の要件に係る承認の「取りやめ届出書」等の提出は不要です。
開始時期(例) |
申請書の提出期限 |
平成29年1月1日 |
平成28年9月30日 |
平成29年4月1日 |
平成28年12月31日 |
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