「なでしこジャパン」が貰った報奨金の税金はどうなるの?・・・公認会計士・税理士 吉井清信
なでしこジャパンが女子ワールドカップドイツ大会で世界一になり日本中が歓喜し、団体としては初めて国民栄誉賞を受賞後、休む暇なくオリンピック代表を目指してして活躍中である各選手に対して、日本サッカー協会から規定の報酬1人当たり150万円の他に特別報奨金500万円が別途支給され、また、公式スポンサーのキリン・グループから臨時報奨金100万円が別途支給されました。
従来から、オリンピックまたはパラリンピックで1位から3位までに入賞した選手に対しオリンピック委員会等が交付する報奨金については所得税が課税されないこととなっています。
平成22年税制改正により、文部科学大臣が指定した財団法人日本サッカー協会等30団体に対し、オリンピックで1位から3位に入賞した選手に交付する報奨金(金メダル300万円・銀メダル200万円・銅メダル100万円を限度)には所得税が課されないこととなりました。
しかし、非課税とされるのは、あくまでもオリンピックにおいて入賞した選手に交付される報奨金に限定され、オリンピック以外の大会で入賞した選手が受ける報奨金は所得税の課税対象とされます。
従って今回、なでしこジャパンが優勝した大会はオリンピックではなくワールドカップであり、選手が受け取る報奨金には所得税が課税されることになります。
プロのスポーツ選手が受ける年俸等は事業所得となり、また他の団体等から臨時的に支給される報奨金についても、事業から派生したものであり事業所得と認定されます。
一方、プロとして契約をしていない選手(アマチュアの選手)が受け取る報奨金は事業ではないので一時所得として課税されます。
なお、アマチュアの選手が従業員の地位に基き勤務先の会社から報奨金を受けた場合は、給与所得に該当することとなります。
今回の選手の活躍からすれば、やはりワールドカップ等国際大会はすべて含めても良いのではという気がしますが、いかがでしょうか。
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