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会計・税務 豆知識

「防災用品の購入費用」の税務上の取扱いについて・・・公認会計士・税理士 吉井清信

この度の東日本大震災を機に災害に備えて、ヘルメット等の防災用品や非常用食料品を備える企業も少なくないと思いますが、今回は、これらの防災用品の購入費用の税務上の取扱いについてご説明します。

 ヘルメット等の防災用品については、一つひとつの単価は少額ですが全社員分或いは地域住民のためともなるとそれなりの金額となります。又、非常用食料品にはフリーズドライ食品のように、25年以上も保存できる優れものもあります。
 そのため、その費用の額を購入時の一時の損金とできるかどうかが気になるところです。 
 ヘルメット等の防災用品については、基本的には器具備品に該当し減価償却資産となり、減価償却資産は、実際そのものを事業の用に使用した際に償却分を損金に算入します。ただし、ヘルメット単品はもちろんヘルメットや懐中電灯等がセットとなった防災用品のセットだとしても1個または1組の金額は僅少〔10万円未満〕となることがほとんどであるため、少額の減価償却資産に該当し一時に全額損金処理することが可能となります。

 また、消耗品として考えると、原則として実際に事業の用に供した分を損金に算入し、未使用分については貯蔵品等として資産計上する必要性が生じますが、防災用品についてはあくまでも、万が一のために備え付けて置くために購入したものであるという考えから、実際に使用した時ではなく、購入して会社に備え付けたときに事業の用に供したものとして、購入した事業年度の損金の額に算入することができます。

 一方、非常用食料品については、
@食料品は、繰り返し使用するものではなく、消耗品としての特性を持つこと
Aその効果が長期間に及ぶものであるとしても、食料品は減価償却資産に含まれないこと
B当該食料品が法人税法上、消耗品で貯蔵中のものであるとしても、災害時用の非常食は備蓄することをもって事
  業の用に供したと認められること
等から、備蓄時に事業の用に供したとしてその備蓄時の損金の額に算入しても差し支えないという取扱いになっております。


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