申告・納付を失念した場合の税務上の取扱い・・・・・・・
公認会計士(税理士)・吉井清信
今回は申告・納付を失念し、期限に間に合わなかった場合の税務上の取り扱いについて解説したいと思います。
1.申告義務の不履行の場合
申告義務のある者が、法定申告期限までに申告しなかったときは、その期限後申告書の提出等により納付すべき税
額の15%相当額の無申告加算税が課されます。もっとも、期限後でも、自発的に申告書を提出したときは、この割合
は5%に軽減され、また、期限内申告書の提出について正当な理由があると認められる場合には、この加算税は課さ
れません。ここで、正当な理由とは、災害、交通・通信の途絶等、誰が見ても真にやむを得ないと判断される理由であ
り、相当厳しく解されています。
2.納付義務の不履行の場合
納付義務のある者が、法定申告期限までに納付しなかったときは、その法定納付期限の翌日から納付の日までの
期間に応じ、年14.6%(納期限の翌日から2ヵ月を経過する日以前は、7.3%を上限として前年11月30日の公定
歩合に年4%を加算した割合。因みに、現在の公定歩合は0.1%ですので年4.1%。ただし平成11年12月31日以
前の期間については7.3%)の割合で延滞税が課されます。この延滞税は、納税の猶予や換価の猶予がされた場
合、延滞税に見合う十分な担保の提供や差押えがあった場合には、その期間中の全額または2分の1に相当する金
額が免除されます。
以上の通り、いずれもペナルティーとしての要素が強く、借入金利等に比較し高率となっていますので、安易に適用
されないよう注意すべきです。 |