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知っておきたい法令


「刑事訴訟法改正」・・・弁護士 吉川 愛

 平成28年5月24日、「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」が成立し、同年6月3日に公布されています。その中にはたくさんの重要な改正がありますが、今回はその中で「取調べの録音・録画制度の創設」について概略をお話しします。
 この制度については、公布日から3年を超えない範囲内において施行されることとなりますので、具体的には平成31年6月3日までには現実の運用となります。
 本制度の骨子は、捜査機関が身柄を拘束している間の特定の事件(裁判員裁判対象事件など)の「被疑者」(検察官が公訴提起をする前の段階の状態)について取調べを行う場合には、一定の場合を除いて取調べの全過程を録音・録画しておかなければならないというものです。そして、当該事件の公判において、取調べ時の被疑者の供述が任意のものではない、と争われる事案については、検察官はその取調べ時の録音・録画がされた記録媒体を、証拠として提出しなければならないこととなります。
 具体的な施行日はまだ分かっていませんが、警視庁は既に平成28年10月1日より、来る施行日に向けて対象事件に対する録音・録画を開始しています。捜査機関の取調べの態様も、弁護人の弁護活動も大きく変わる可能性がある改正の一貫です。現実の施行に至る前段階でも動向について注目しておく必要がある状況ですのでご紹介します。



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