配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律（ＤＶ防止法）改正・・・・・・・弁護士　吉川　愛

　ＤＶ防止法は、配偶者からＤＶを受けている被害者を保護するため、主に配偶者からの接近禁止命令や、配偶者から逃げてきた被害者が、家の荷物等を取りに戻るために、家にいる配偶者を一時的に退去させる退去命令（総じて保護命令と呼んでいます。）が主な内容です。

　平成１９年７月１１日に改正されたＤＶ防止法により、保護命令が認められる要件として、現実に暴力を受けていなくても、生命・身体に重大な危害を受ける恐れが大きいような脅迫を受けた場合でも、保護命令を発することができるようになりました。

　また、接近禁止命令に加えて、電話等での接触も併せて禁止することができるようになりました。さらに、もともと認められていた同居の子以外にも、被害者の親族その他周辺の者に対する接近禁止命令が認められるようになりました。

　この改正法は平成２０年１月１１日から施行されていますが、さらに被害者の権利を保護しやすい状況となったと言えるでしょう。