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知っておきたい法令

交通事故の厳罰化…刑法一部改正、道路交通法一部改正・・・弁護士 市河真吾


 既に平成13年刑法改正によって、飲酒や薬物の影響などで正常な運転が困難な状態での「危険運転」により人身事故を起こした場合、通常の業務上過失致死傷罪(刑法211条)よりも重く処罰する危険運転致死傷罪(同208条の2 最高刑懲役20年)が新設されました。
 
 しかし、「正常な運転が困難な状態」の立証が難しく、飲酒運転等でも危険運転致死傷罪ではなく業務上過失致死傷罪の適用(最高刑懲役5年)が裁判上みられ、また、危険運転致死傷罪は、四輪車のみを対象とし、二輪車が対象となっていないといったアンバランスな規定でした。
 
 そこで、平成19年5月の刑法改正により、@四輪車の制限を撤廃した危険運転致死傷罪、A最高刑を懲役7年とする自動車運転致死傷罪(同211条2項)が制定されました。

 また、平成19年6月の道路交通法改正により、酒酔い運転罪を懲役5年に(道交法117条の2第1項)酒気帯び運転罪を懲役3年に上限を引き上げ(同117条の2の2第1項)、酒酔い又は酒気帯び運転の同乗者(但し運転の要求、依頼した場合に限定)や、運転者に酒を提供した者も独自に処罰されます(酒酔いについての同乗、酒類提供は最高3年の懲役<同117条の2の2第3項第4項>、酒気帯びについての同乗、酒類提供は最高2年の懲役<同117条の3の2第1項第4項>)。

 なお、車両提供者も飲酒、酒気帯び運転者と同様の刑罰で独自に処罰されることになりました(同117条の2第2項、117条の2の2第2項)。


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