労働者派遣法・・・・・・・・弁護士・野澤 隆
労働者派遣法(昭和60年制定,正式名「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」)は,規制緩和の結果,現在,ほとんどの業種で派遣を認めており,派遣事業は,労働者数約250万人,年間売上高約4兆円産業にまで発展(平成17年度)しております。
労働者派遣とは,「自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させること」をいい(2条1号),労働者と派遣元には雇用関係,派遣元と派遣先には派遣契約,労働と派遣先には指揮命令関係が生じます。
派遣事業は,常時雇用される労働者のみで構成された特定派遣事業(届出制)とそれ以外の一般派遣事業(許可制)に分かれます。なお,紹介予定派遣(平成12年開始)とは,職業紹介を行う,又は行うことを予定してなされた労働者派遣です。
この法律は,従来の日本型雇用とは違った多様な就労スタイルを推進しましたが,多数の使い捨て労働者を生んだ一面があり,偽装請負・偽装委託が横行する現実もある以上,今後は実行力の高い改善策の実施が望まれるところです。
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