■ Web版SUM UP


知っておきたい法令

破産法・・・・・・・・・・・・・・・・・・弁護士・吉川 愛

 破産法は、大正11年に制定された古い法律ですが、近年、実情に合わせた大改正が行われ、平成17年1月1日から施行されています。今回は免責の裁判について説明します。

@ 免責不許可事由・・・旧法も、破産者が意図的に債権者を害する行為をした場合や、破産手続き上の義務を怠り、手
 続の進行を妨害した場合に、破産者の免責を認めていません(旧法366条の9第1号〜5号)。新法では、破産者の手
 続き上の義務が追加され、裁判所が行う調査につき説明を拒んだり、虚偽の説明をすることや、不正の手段により、破
 産管財人等の職務を妨害することも免責不許可事由として明文化されました(新法252条1項1号〜9号)。また、一度
 免責を受けた者は、原則として10年間免責を受けられなかったのですが、新法ではこれを7年としました(新法252条
 1項10号)。

A 非免責債権の拡張・・・旧法によっても、租税などの請求権、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求
 権、雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権および使用人の預り金の請求権、破産者が知りながら債権者名簿に
 記載しなかった請求権、罰金などは免責されませんでした(旧法366条の12)。新法はこれに加えて、破産者が故意,
 または重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権と、一定の扶養義務に
 基づく請求権(夫婦間の協力及び扶養義務、婚姻費用の分担義務、子の監護義務、親族間の扶養義務)を非免責債権
 として追加しました(新法253条)。


[ TOPページ ]  [ 業務内容・費用 ] [事業所案内 ] [SUMUP ] [ お問い合せ

  (C)Copyright AKASAKAMITSUKE SOGO LAW &ACCOUNTING OFFICE. All rights reserved.