担保物件及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律2・・・・・・・弁護士・松村博文
平成15年7月25日に制定されました。このうち、民法の改正については前回紹介されましたが、今回は民事執行法の改正について紹介します。
民事執行法の主要な改正点は、@承継執行文における承継人等の特定要件の例外(民事執行法27条3項5項)、A民事執行法上の保全処分の要件の緩和(同法55条1項等)、B競売のための物件明細書等のインターネットよる閲覧(同法62条2項、同規則31条3項)、C競売不動産の入札前の内覧(同法64条の2)、D担保不動産の収益執行などです。
特に@については、家屋の明け渡しを居座って妨害する、いわゆる占有屋に対し、強制執行を容易にする工夫がなされています。
すなわち、建物明渡請求訴訟判決後執行前に建物の占有者が変わると承継執行文付与の手続きをしないと執行できないのですが、従来は占有者を特定することが要件とされていました。しかし、占有者がどこの何者なのか不明な場合やわざとわからなくし執行を妨害する占有屋などに対して、現実に特定することは困難でした。
そこで、改正法は、執行前に「不動産の占有者を特定することを困難とする特別の事情」があれば、例外的に相手方を特定しないで承継執行文の付与を受けることを可能にしました。 |