「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」(平成13年法律第137号)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弁護士・持田秀樹
そこで、インターネット上のウェブページ、チャット、電子掲示板等不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信について、プロバイダ、サーバの管理・運営者等が損害賠償責任を負う場合を明確にし、権利侵害に対して迅速かつ適切な対応ができるようにしたのがこの法律です。全4条の短い法律ですが、やや読みにくい構成になっています。
この法律では、プロバイダ等において権利を侵害する情報(侵害情報)の送信防止措置が技術的に可能な場合で、他人の権利が侵害されていることを知っていた場合などに限って当該プロバイダ等は権利を侵害された者に対して賠償責任を負うものとしています。また、送信を防止された者に生じた損害については、送信防止措置が必要な限度でおこなわれ、プロバイダ等において他人の権利が不当に侵害されていると信じる相当の理由があったときなどはプロバイダ等は損害賠償責任を負わないとしています。
さらに、匿名での侵害情報の発信がおこなわれた場合に、権利を侵害された者は、一定の要件の下でプロバイダ等に対して発信者情報の開示を請求することができるものとし、プロバイダ等が開示請求に応じなかったために損害が生じた場合には、プロバイダ等に故意または重過失がある場合を除いて、プロバイダ等は損害賠償責任を負わないことなどを定めています。
このように、この法律では、プロバイダ等が賠償責任を負う場合を限定しているため、一般に「プロバイダ責任制限法」と呼ばれています。 |