女性の人権を守る法令 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弁護士・松村博文
近年、女性の人権への配慮から、立法された2つの法令を紹介する。
1 まず、ストーカー行為等の規制等に関する法律が、平成12年末に施行された。概要は、以下のとおり。
ストーカー行為とは、つきまとい等を反復してすることをいい、警察本部長等が、申し出を受けて、当該つきまとい行為を した者が、更に、反復して当該行為をするおそれがあるときに、当該行為の反復を禁ずる警告を発する。
行為者が、警告にもかかわらず、つきまとい等をして相手方の身体の安全、住居の平穏若しくは、名誉が害され又 は、行動の自由が著しく害される不安を覚えるような行為をした場合で、公安委員会が、更にストーカー行為をするおそ れがあるとき認めるときに、禁止命令を出す。
ストーカー行為をした者は、6ヶ月以下の懲役または、50万円以下の罰金であり(これは、親告罪)、禁止命令に違反 してストーカー行為をした者は、1年以下の懲役または、100万円以下の罰金に処せられる(これは、親告罪ではな い。)。
2 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が、平成13年10月から、施行された。
これは、いわゆるDV(ドメステックバイオレンス)を防止し、女性の人権を向上させるためのものとして、規定された。
保護の対象は、結婚している配偶者だけではなく、内縁関係にある者、かつて、結婚ないし内縁関係にあった者も含 まれる。DV防止としては、配偶者暴力相談支援センターの設置(被害者の保護全般、別居の手伝い等)、裁判所の保 護命令があり、積極的な活用が望まれる。 |