■ Web版SUM UP


気になる裁判例

「Twitter上の犯罪報道ツイートの削除基準」・・弁護士・松村博文

 ツイッターを利用して「逮捕され、裁判を受けた事実」について、ツイートしたことがプライバシーを侵害しているとして人格権ないし人格的利益に基づき削除を求めた事案で、最高裁は、記事の削除を認めた(令和4年6月24日)。
 ツイートの内容は、女性用浴場の脱衣所に侵入して、建造物侵入罪で罰金刑を受けたことが、報道機関のウェブサイトに載り、その記事の一部を転載して本件事実をツイートされたものであり、ツイッターを運営する者に削除を請求した事案である。
 原審は、削除要求を否定したが、最高裁は、以下の@〜Cなどの事情下では、公表されない法的利益が一般の閲覧に供し続ける理由に優越するとして削除を認めた。
@逮捕から8年が経過し、罰金刑の効力も失われており、報道記事も報道機関のウェブサイトから削除されている。
A 長期間の閲覧を目的として投稿したものであるとは認めがたいこと
B 氏名の検索によりこのメッセージが表示されること
C 公的立場にないこと
が削除を認めた理由である。
 今後の削除請求における1つの指針となる判例である。


[ TOPページ ]  [ 業務内容・費用 ] [事業所案内 ] [SUMUP ] [ お問い合せ

  (c)copyright akasakamitsuke sogo law &accounting office. all rights reserved.