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名義貸し・名義の無断使用・・・・・・・・・・・ 弁護士・市河 真吾


 破産した友人から、クレジット会社のカードが使えないので名義を貸してくれないかと頼まれ、私は自分名義のクレジットカードの使用を許しました。キャッシングの限度額も20万円であったし、手数料込みで振替用のお金も支払ってくれたこと、長年のつきあいもあったので、特に問題視しませんでした。
 ところが、友人は行方不明になり、クレジットカードの支払、キャッシングで借りた貸金の支払請求の通知がきました。中には私の知らない消費者金融からのものがあり、私の保険証と名前を勝手につかっていたようです。
 私はこれらの請求をすべて支払わなければならないのでしょうか。


 まず、クレジットカードの支払ですが、もともとクレジットカードは登録された会員以外の使用を認めていないのが一般なので、その名義貸しは本来許されない行為です。しかし、クレジットカードの決済について、あなたではない別の友人が使用したことをいってもあなた自身がそれを承諾しているのならば、一種の代理又は代行として契約が有効視されるでしょうし、通常約款には会員の故意又は重大な過失がある場合は、会員が責任を負担する旨の規定があります。

 すなわち、カード会社に対しては原則として支払わざるを得ません。ただ、振替用の資金も支払わず、カードとともに友人が行方不明になっている場合は、直ちに紛失、盗難届けをカード会社に通知し、被害の拡大を防止すべきです。

 次に見知らぬ消費者金融の請求ですが、勝手に名前を使われたとすれば、偽造書類によって締結された契約であり、契約の無効を主張できます。その際には、自分は借りていないとの主張とともに契約書、申込書の写しの交付を相手方に申し入れるべきです。書類の筆跡等から偽造が明白な場合は、支払う必要はありませんが、不明確な場合であったり、相手方が表見代理を主張する場合は裁判で決着をつける必要が生じるかもしれません。

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